「相続税とは何なの?」
「相続に関わる税金の申告方法と納税期限について教えてください。」
「相続の申告対象となる財産について教えてほしい。」
「課税財産額とは何なの?」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
人が亡くなるのは一大事ですし、ただでさえバタバタしますよね。
そんな中で税金のことをしないといけないとなると、先に相続に関わる税金のことぐらいは知っておきたいというのが本音でしょう。
今回は皆さんの悩みや疑問に全て答えるべく、私が税理士に直接インタビューをしてきました。
情報は大変正確で最新のものとなっております。
ぜひ最後までお読みください。
相続税とは?相続税を払うのは誰?
相続税とは一体何なのか。
相続税を払うのは誰なのか見ていきましょう。
相続税とは
相続税とは亡くなられた方の財産を引き継いだ場合に引き継いだ財産額が基礎控除額を超えた時、かかってくる税金のことを言います。
財産とはプラスの財産からマイナスの財産を差し引いた純財産を言います。
例えば亡くなられた方の預貯金が5,000万円、ご自宅が5,000万円、住宅ローンの借入が3,000万円ですと、7,000万円の純財産です。
この7,000万円の純財産に相続税がかかってきます。
また、亡くなられた方が遺言を遺していて相続人以外の方に遺贈する場合も含みます。
相続税は誰が払うの?
相続税はズバリ相続人側が払います。
配偶者、そして子供や孫などが候補としてあがります。
ですから、親御さんだけでなくお子様も一緒になって考える必要があります。
亡くなられた方が遺言を遺していて相続人以外の方に遺贈する場合は、財産を受け取った側が払います。
相続分について
配偶者が1人、子供が2人の場合について解説します。
まずは配偶者は常に相続人です。
そして子供が相続人になります。この場合は配偶者が2分の1、残りの2分の1を子供の人数で割ります。
4,000万の財産があれば配偶者が2,000万円、そして子供が1,000万円ずつということになるでしょう。
また、子供が先に亡くなっている場合は孫の人数で割るので、孫が2人ならば2分の1の半分で4分の1ずつということになります。
孫が3人ならば6分の1ずつです。
ここで注意しておきたいのが、子供の奥さんや配偶者に関しては相続人にならないということです。
相続の順位の関する記事はサクッと5分で読めるこちらの記事をご覧ください。
法定相続人とは?
亡くなった方の財産を受け取れる人は民法で定められており、法定相続人と言います。
ここで問題となるのが、法定相続人の数です。
基礎控除額を計算する上で法定相続人の数が必要となってきます。
相続の放棄をしても法定相続人の数は変わりません。
養子縁組をした場合は少し複雑になるでしょう。
養子縁組とは、人為的に法律上の親子とするための手続きのことを言います。
法律上の扶養義務が生じたり両親が死亡した時の相続人となります。
普通養子縁組の場合、実親との関係性は法律上そのままです。
そのため、養子になっても養親と実親の両方から遺産を相続することが可能となります。
二重相続権があるということですね。
特別養子縁組は子供の福祉のために与えられている養子縁組で養親イコール実親となります。
ですから、養親からの相続のみとなります。
また、孫養子の場合も解説します。
孫と養子縁組をするメリットは相続税の節税になるということです。
基礎控除の計算に入れられる養子は最大2人までと決まっています。
祖父母に実の子が1人いれば、1人までと決まっています。
孫と養子縁組をすると、孫に二重資格が生じることがあります。
養子としての資格と、先に親が亡くなった場合の代襲相続人としての資格が生じます。
養子縁組をした場合は法定相続人が少し変わってきますので注意しましょう。
申告方法と納税期限は?
申告方法と納税期限について見ていきましょう。
申告方法
相続人の方から税務署の方に相続税はこれぐらいであろうと自己申告する、申告納税方式という方法をとっています。
税務署の方からは申告額を提示してくれません。
身内が亡くなったら、財産と債務を調べてざっと把握しましょう。
基礎控除を超えないようであれば申告の必要はありません。
しかし、基礎控除を超えるようであれば申告が必要になるので税理士などに相談することをお勧めします。
ご家庭の財産額そして基礎控除、これがスタートとなりますので押さえていきましょう。
相続税の申告は税理士に頼らなくとも自分ですることも出来ます。
税理士費用もかからずその方がいいのではないかと思う方も多いかと思いますが、予想以上に大変だと考えます。
また申告書はかなりのボリュームがあるので作成の手間も随分とかかるでしょう。
ですから、できるかぎり税理士に相談することをおすすめしたいと考えます。
- STEP1
法定相続人を確定させる必要性があります。
そのため、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍謄本が必要になります。
戸籍の収集は数ヶ月かかることもあるので、早めに取り掛かりましょう。
- STEP2
相続財産を確定させる必要性があります。
亡くなられた方がどれだけの財産を持っていたのかを確定させる必要が出てきます。
現金、預貯金、貴金属、美術品、骨董品、有価証券、生命保険だけでなく、土地や建物の評価額も算出しなければなりません。
その上で誰がどの財産をどれだけ相続するかを決めます。
- STEP3
必要な書類の手配をしなければなりません。
相続人の戸籍や印鑑証明、銀行の預金残高証明書など集めなければならないものは沢山あります。
オンラインで手続きができるものもありますが、窓口でなければ手続きできないものもあり、予想外の手間がかかるのが想定できるでしょう。
- STEP4
相続税の申告書の作成をする必要性があります。
順番通りに記入していけば完成させることは出来ますが、提出期限に注意しましょう。
相続が起こった後の流れ
お通夜、お葬式、四十九日、社会保険手続きなどを行っているうちに瞬く間に時間は過ぎていきます。
そこで税務申告について意識しておいてほしい期限を3つご紹介します。
- 相続の放棄の期限
相続が開始してから3ヶ月以内に裁判所に申し立てる必要があります。
相続の放棄をすると、最初から相続人ではなかったこととみなされます。
ですから、プラスの財産はもちろん、マイナスの財産も引き継がないといった形になります。
借金が多い場合は相続の放棄を行うのを考えるのも良いでしょう。
- 準確定申告の期限
亡くなられた方が不動産賃貸や事業をやっていたとかで毎年確定申告書を提出していた場合には、その年の初めの1月1日からその亡くなった日までの所得税の申告をする必要があります。
こちらは相続が開始してから4ヶ月以内ということになっています。
- 相続税の申告・納付期限
こちらは相続が開始してから相続が開始してから10ヶ月以内ということになっています。
原則として現金一括納付が原則となっています。
あまり預貯金がない場合は、10ヶ月以内に資金が調達できるか気を配っておく必要がある場合も出てきます。
相続財産が不動産メインで預貯金があまりない場合のお悩み・対策法についてはサクッと読めるこちらの記事でご覧ください。
相続税の申告は、相続税の分け方が決まっていなければ出来ないので、10ヶ月以内に遺産分割協議で相続の分け方を成立させておく必要があります。
また、不動産の名義を変えたり亡くなられた方の預貯金を解約したりすることに期限はありません。
相続税がかかるものとかからないもの
相続税がかかるものばかりではありません。
相続税がかからないものもありますので、見ていきましょう。
相続税がかかるもの
・亡くなられた方がかけていた生命保険金
・死亡退職金
・相続人が死亡した方から3年以内に受け取った贈与
こちらには相続税がかかってきます。
贈与を受け取った際に贈与税を払っている場合は、相続税から贈与税を引くことになるので二重には税金を払うことはありません。
相続税がかからないもの
・墓地
・仏壇
・祭具
また、国や地方公共団体に寄付した場合も相続税はかかりません。
もしお墓を買うつもりであれば亡くなる前に買うと節税に繋がります。
課税されない財産の評価
現金・預貯金については明確に評価できますが、著作権や借地権などは財産評価基本通達というルールに基づいて評価することになっています。
土地については減額ルールがあったりするので特例になります。
相続税の計算方法
財産合計から債務、お葬式費用を差し引きます。
プラスの財産からマイナスの財産を差し引くということです。
お葬式費用には領収書が出なかったお布施やお心づけ費用、お車代なども入ります。
そして生命保険金と死亡還付金の非課税枠を差し引きましょう。
非課税枠は500万円×法定相続人の数と決まっています。
法定相続人の数が3人の場合、1,500万円までは課税されないということです。
財産額に直接相続税がかかることはありません。
ここまで出してきた基礎控除という一定の非課税額を引いて税金のかかる額を決めることになります。
基礎控除として、遺された遺族の生活を守るためにここまでは税金がかけられないという額が設定されていますので安心してください。
基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数というふうに決められています。
詳しくは基礎控除について分かりやすく説明したサクッと読めるこちらの記事をご覧ください。
法定相続人が3人の場合、3,000万円+600万円×3人=4,800万円ということになります。
これより財産が低い場合は相続税はかかりませんのでご安心ください。
ただし、要注意事項があります。
小規模宅地等の特例を使用して4,800万円以下になった場合、特例を使用することを申告する必要性が出てきますのでご注意ください。
くれぐれも申告を忘れないようにしましょう。
相続に関わる税金とは?相続税対策をイチから徹底解説!まとめ
皆さん、相続税についての疑問は解消しましたでしょうか?
まだまだ解消しない方も多いですよね。
別の記事でも多くの相続に関することを書いていますのでぜひご覧ください。