「自分がどれだけの割合相続できるのか知りたい。」
「自分の相続できる割合をできる限り増やしたい。」
「一度相続の割合を決める家族会議をしたけど、自分の相続できる割合に納得できない。」
こういった悩みを持つことも多いでしょう。
相続する財産の割合については、相続が発生してから10ヶ月以内にまとめなければなりません。
慌ただしい中の10ヶ月といえばすぐ経ってしまいます。
相続する財産の割合を決めるのに、すんなりいく家庭とそうではない家庭が分かれてしまうところでもあります。
・相続の割合の法的な基本ルール
・相続の割合を決める家族会議が無効になってしまう条件
・一度相続の割合を整理したのに改めて相続の割合を決め直すことができるのか
について焦点を絞ってお話をしていきます。
この記事は税理士に事前にインタビューして事細かに書いたものですので、きっと相続の割合で悩んでいるあなたに最善の情報を提供できると考えます。
たったの5分で読める記事ですので、サクッと読んでみてくださいね。
相続の割合を決める方法とは
まず、相続の割合を決める方法には大きく分けて、「4つのパターン」があります。
1つ目は遺言書が存在する場合に、遺言書に書いてあるように相続の割合を決めるケース
2つ目は相続人同士で、家族会議をして、相続の割合を決めるケース
3つ目は相続人同士での家族会議がまとまらない場合におけるもの。こういった場合は、家庭裁判所で調停人の立ち会いの下、話し合って相続の割合を決めます。しかし、それでもまだ話がまとまらないケース。
4つ目は家庭裁判所において裁判官から決定処分が下されるケース
この4つのパターンがあります。
とは言われてもピンときた人は少ないですよね。
1つずつ事細かに説明していくので安心してくださいね。
遺言書が存在する場合
まず、相続の割合を決める家族会議に関する大前提として、亡くなった方が相続の割合でもめないように遺言書があるかどうかを確認しましょう。
もし亡くなった方が生前に遺言書を作成していた場合は、残された相続する人同士が行う相続の割合を決める家族会議がこじれた際にとても効力を持つからです。
遺言書の作成の費用についてはこちらの記事をご覧ください。
この相続の割合に関する家族会議を一番穏便に終わらせる、1番の策だと言えるでしょう。
具体的に説明します。
夫が亡くなり、3人の相続人がいたとしましょう。
夫が残した遺言書には妻に1億円 長女に5,000万円 長男に1,000万円を相続させると書いてあったとします。
妻と長女は、この遺言書の内容に納得していましたが、長男が長女が自分よりも4,000万円も多く財産を相続するのはおかしい!
自分と長女で3,000万円ずつ相続するように相続の割合を考えるべきだ!
このように、主張した場合でも、長男の主張は通らないことになります。
なぜなら、遺言書の効力は相続の割合に関して各相続人個人の主張よりも効力を持っているからです。
なので、このケースの場合は、長男は今回の相続の割合を決めるこの家族会議で決まったように1,000万の相続で我慢をするしかない状態になります。
相続人同士で、家族会議をして、相続の割合を決める方法
では、遺言書があれば相続人全員が遺産相続の割合を変えたいと思っていても遺言の内容を変えることはできないのか、と疑問に思う方も多いでしょう。
先程、確かに遺言書は非常に大きな効力を持っていると記載しました。
事実ではあります。
しかし、一度作成された遺言書の相続の割合の内容は絶対に変えることができないわけではありません。
よく、テレビドラマでも遺言書の内容が読み上げられ、それに対して相続人たちが相続の割合で骨肉な争いをするという内容を目にしますから、「遺言書の内容は絶対的な効力を持つ。」と思う方が多いのでしょう。
ですが、実際は相続人全員の同意があれば変えられますので安心してください。
相続人全員の同意があった場合には、亡くなった方が残した遺言書の内容は、相続の割合も含めて自由に変更することができます。
ですから、先程の具体例でいいますと、長男が自分と長女で3,000万円ずつ相続するように相続の割合を決めたいという提案に対して、他の相続人である妻と長女が同意をすれば長男の意見が通ります。
この相続の割合を決める家族会議は、亡くなった方の遺言の効力より大きいと言えるでしょう。
相続人同士での相続の割合を決める家族会議全くまとまらない場合
この家族に遺言書もなく、相続人同士での相続の割合を決める家族会議もまとまらない。
こういった場合どうなるのでしょうか。
家庭裁判所で調停や審判の手続きを利用することができます。
その際に、家庭裁判所への申立てを誰がするのか気になりますよね。
相続する方のうち1人、あるいは複数人が他の相続人全員を相手として申立を行います。
その際には、まずは調停を申し立てます。
調停でも話がまとまらない場合は、審判による分割を行います。
家庭裁判所で調停委員を間に挟んで家族会議を行い、相続の割合を決めるという方法です。
各相続人が、個別に法定代理人と話をするので、相続人同士が顔を合わせることはほぼありません。
しかし、相続人全員の合意が取れないと、調停はまとまりません。
顔を合わせず合意を取るというのはとても難しいことですね。
通常なら考えられません。
しかし、合意しなければ、相続の割合を決めることができないので注意しましょう。
家庭裁判所において裁判官から決定処分がくだされる場合
調停分割で、相続人全員が合意をしなかった場合、どうなるか皆さん知っていますか?
もし相続人の申し立てをしたどなたかが調停を取り下げない限り、自動的に裁判官が相続割合を決める手続きが始まることになります。
相続人それぞれが、主張と主張の根拠になるものを出します。
そして、それを元に、裁判官が判断を下すことになります。
裁判官の決定には強制力がありますので、相続する財産も自分の与えられた割合に納得いかなくとも裁判官が決定した通りに分割する必要があります。
やはり遺言書がある場合が、相続人たちにとって最も相続割合を決定しやすいように思えますね。
相続の割合を決める家族会議がまとまらなかった時のデメリット
相続税の申告期限までに相続の割合を決める家族会議がまとまらない場合、何も損害がないと思ったら大間違いです。
配偶者控除を含むお得な特例が全て使えないことになります。
これは相続人にとって大きな損害だと考えます。
ですから、相続の割合を決める家族会議は必ず申告期限までにまとめましょう。
配偶者控除についての詳しいお話はここでは割愛しますので、気になる方はこちらの記事をご覧ください。
相続の割合を決める家族会議がまとまらなかった場合のお話はこちらの記事にも掲載しています。
どちらの記事もサラッと5分で読めるのでぜひ読んでみてくださいね。
相続の割合を決める家族会議がまとまり特例を受ける時
ここまでお得な特例を少し例をあげて説明してきましたが、お得な特例を受けるためには手続きが必要になります。
相続人全員で特例の使用も含めた相続の割合を決める家族会議を行い、相続の割合を決める書類を作成します。
そして、相続税の申告書を出す際に、特例を使用する旨の書類と相続の割合を決める書類を一緒に提出してはじめて、特例が適応されるということになるのです。
ですから、相続税の申告期限までに相続の割合を決める家族会議がまとまらない場合は、デメリットが必ず出てくることは知っておきましょう。
相続の割合を決める家族会議が無効になるケースと注意点
また、せっかく相続の割合をきめる家族会議を行ったとしても、家族会議自体が台無しになってしまうこともあります。
具体的な例をあげますと、相続の割合を決める家族会議は亡くなった方の相続人となる方々全ての人員によって行わなければ、無効になってしまいます。
先程の家族のケースで言いますと、長男をのけものにして、亡くなった方の奥さんと長女だけで相続の割合を決める家族会議を行い、相続の割合を決める書類を作成したとしても、その家族会議は無効です。
ですから、相続の割合を決める家族会議を行う際には、必ず相続人全員が参加、またはその場に参加できなくともテレビ電話等、工夫して参加するなど、家族会議の内容に同意している状態で行ってくださいね。
また、相続人の中に認知症の方がいる場合などに、押印や署名を勝手に他の相続人の方が行うことは、犯罪行為となる場合がありますので、絶対にしないようにしてくださいね。
相続の割合を決める家族会議のやり直し
相続の割合を決める家族会議が成立した後に、もう一度家族会議をやり直すことは、原則としてできかねます。
ただし、相続の割合を決める家族会議が無効・取り消しの原因となる、正当な理由があれば可能となります。
正確には、一度成立した相続の割合をきめる家族会議であっても、一部または全面的にやり直すことができます。
ご自身が、他の相続人から不当な扱いを受けて、相続の割合をきめる家族会議を自分以外の相続人で行われた際には申し立てを行いましょう。
是非覚えておいていただければと思います。
相続の割合を決める最善の方法
相続の割合を決める最善の方法はやはり遺言書があることです。
遺言書があれば、相続の割合を決める家族会議でもめることがあっても、少しは遺言書のおかげで軽減されるのではないでしょうか?
遺言書の作成についてはこちらの記事をサクッと5分で読めますので、ぜひご覧ください。
また、相続でもめる理由はお金に欲深いからではなく、感情の行き違いによって起こるものがほとんどということを経験豊富な税理士にお聞きしました。
売り文句に買い文句、遺された人が相続の割合で争うことを故人の誰が望んでいることでしょうか。
生前に皆さん、ご家族のために遺言書を遺してみませんか?
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